クラシック音楽を楽しむ広場

クラシック音楽を聴いた感想を記します。

チョ・ソンジン(pf):ヘンデル と ブラームスを弾く


 ヘンデルと聞いてまず思いつくのは、管弦楽曲「水上の音楽」、「王宮の花火の音楽」、ほかにも、「第12番までの合奏協奏曲集」、歌劇の「リナルド」、そしてなんといっても、バッハの宗教曲に比肩すると私は、見ている「メサイヤ」といったオラトリオです。

 今回、聴くのは、2015年のショパン国際コンクールの優勝者、チョ・ソンジン演奏によるヘンデル鍵盤楽器のための組曲集(第2番、第8番、第5番・・・調子の良い鍛冶屋が入った曲)と、ブラームス作曲の「ヘンデルの主題による25の変奏曲とフーガ」です。

 

 少し前の話ですが、チョ・ソンジンのピアノと、バリトンのゲルネとによる歌曲集、(ワーグナープフィッツナーR.シュトラウス作品)のCDが出た時に、チョ・ソンジンという演奏家は、少し気になっていました。私は、その時は、彼が、ショパンコンクールの覇者であったことを知りませんでした。

 今回、チョ・ソンジンが弾くヘンデルと、ブラームスが出た時に、これは聴きたいと思いました。私の好きな鍵盤楽器の曲である「アリアと変奏(調子の良い鍛冶屋)」と、ブラームスによる「ヘンデルの主題による25の変奏曲とフーガ」が聴けるからです。

 調子の良い鍛冶屋について・・・8つの組曲で構成されるクラブサン組曲集 第1巻の第5組曲の終曲を飾る曲です。テーマにあたるエアは、先行するアルマンドクーラントから素材が集められています。この陽気で、明快ななテーマに基づき5つの変奏が続きます。

 ブラームスによる「ヘンデルの主題による25の変奏曲とフーガ」、このヘンデル変奏曲の主題になっているのは、クラブサン組曲第2巻 第1曲に出てくる簡潔シンプルな曲です。これに基づき、ブラームスは、多様な手法を使い展開させ、最後は、4声のフーガに行き着きます。

 ヘンデルといえば、メサイヤですが、鍵盤楽器の分野での作品は、軽やかな舞曲のようで、かつ、楽しみにも満ちた不思議な魅力を放っています。

  ソンジンが、超絶技巧の曲集でなく、ヘンデル作品を取り上げたことは、うれしいです。音符の数は少ないヘンデル曲ですが、各声部を引き出し、音に「いろどり」をそえ、聞き手に伝えているソンジンの演奏は、素晴らしいと思いました。

 

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