クラシック音楽を楽しむ広場

クラシック音楽を聴いた感想を記します。

ドビュッシー:ボードレールの5つの詩から 歌曲「噴水」管弦楽版とピアノ版で聴く


 ドビュッシーは、パリ音楽院に在学していた10代から、歌曲を作曲していたと言います。今回、聴いていて、心地よいと思った歌曲は、ボードレールにより1887~1889年に書かれた詩集「悪の華」から、採られた「ボードレールの5篇の詩」のなかにある、「噴水」です。内容は、愛の楽しみと悲しみを、表現した歌です。

 

 ここ最近、フランス歌曲を中心に聴いています。プーランク、ラベルを聴きましたが、特に、ラベル作曲の歌曲全般は、20世紀におけるやや、前衛的な曲調が多く、ここ最近の少し疲れぎみの私の気分になじみませんでした。

 その点、ドビュッシーの歌曲は、いろいろな歌曲を聴いたのですが、(急に音が飛ぶようなこともなく、)まとまった音域、音符の中で、曲が構成されていて、聴いていて、楽しめますし、リラックスできます。変にドイツ風(的)に、ゴツゴツしてなく、なめらかな、雰囲気で、心地よく聴けました。

 演奏は、プーレーズ指揮、クリーブランド管弦楽団による、管弦楽曲版による「噴水」ソプラノは、アリソン・ハグリー。

 また、ピアノ版は、ダルトンボールドウィンのピアノ、ジェラール・スゼーのバリトンです。

 こちら、バリトンによる歌も良く、おとなしめの穏やかな伴奏に乗って、歌がなめらかに聞こえます。この一曲だけ聞いてもドビュッシーという作曲家が、素晴らしいきらめきを持っていたことを、改めて知ることが出来ました。

 今回、このブログを書くにあたり、歌曲「噴水」を管弦楽曲版でも、ピアノ版でも何回も聴きました。いい曲です。

 同時代に、同じ国、フランスの印象派作曲家が現れことは、特異なことで、印象派とは言え、両者の管弦楽曲、どちらも惹かれますし、ピアノ曲も、とても、魅力があります。