レスピーギの音楽は、「ローマ3部作」のように、その日の気分で、やはり、重厚で重たいなあ 熱いなあと思うときはあります。
そういう時は、あまたある管弦楽曲の中で、優雅な曲を紹介します。
レスピーギ作曲 「リュートのための古風な舞曲とアリア」です。
サンタ=チェチーリア音楽院に通うことを日課としてしたレスピーギ。目的は、古い作品の研究でした。
ある日イタリア音楽学者 キレゾッティという人が編纂した16世紀から18世紀のフランス・イタリアのリュート曲集を見つけます。
その図書館で埃をかぶっていた楽譜は、名曲の宝箱で、原曲のメロディ、旋律にレスピーギならではの近代オーケストレーションを行いました。古典の復古といえます。
三つの組曲からなり、
第1組曲
1.「オルランド伯爵」からの小舞曲
2.ガリアルダ
3.ヴィッラネッラ
4.パッソ・メッゾとマスケラーダ
第2組曲
1.優雅なラウラ
2.田園舞曲
3.パリの鐘
4.ベルガマスカ
第3組曲
1.イタリアーナ
2.宮廷のアリア
3.シチリアーナ
4.パッサカリア
こう題名をみるだけでも、宮廷風で、名曲の小箱という感じです。
レスピーギが、典雅な舞曲に、その持て余る最高の力で管弦楽を施しています。
私は、ヘスス・ロペス=コボスの指揮、ローザンヌ室内管弦楽団 TELARCのレーベルのもので聴いています。最初、曲を聴いた時は、衝撃を受けました。あまりの優雅さ、たおやかさに。
小編成で、クラブサンの音色を表現しています。この記事を書いて、家の棚を探していたら、小澤征爾 ボストン交響楽団(ドイツ グラモフォンレーベル)による、演奏もありました。より、音の輪郭は、はっきりしています。名演です。
今、市場を見たら、この2枚のCDは、販売取り扱いがないようなので、いつでも購入できるように、してほしいですね。この管弦楽曲は、聴いていても、リュートの調べだなあと感じ、組曲の中には、作者不詳の曲もあるのですが、曲の魂に息吹が吹き込まれていますね。私が、レスピーギの作品で最も好きな曲集です。少し前、レスピーギの「フルートと管弦楽のための作品集」という、ちょっとマニアックなCDを購入しました感想は近々書きます。