クラシック音楽を楽しむ広場

クラシック音楽を聴いた感想を記します。

アルカン:ピアノ曲 波打ち際の狂女の歌 25の前奏曲より

 ここ数日、眠りが浅いのだと思いますが、毎晩 午前1時、2時に目が覚め、家事や、音を立てないように、掃除をしています。
   昨日の夜は、午前2時頃に目が覚め、回していた洗濯物を干し、次いで、たまっていた段ボールをひもでくくり、出勤時の荷物の準備(水筒2本、ハンカチ等)、そして、ボールペン字の書き取り練習(お気に入りの歌集のペン字による手本の写し、一日、一首ずつ書いて覚えています。)を、4時半までしていたら、疲れて、また眠くなり、再び眠りにつきました。
 睡眠がやや不足していて、眠気でウトウト過ごした一日でした。少し暖かったこともあります。
 業務も十分には、はかどらず、帰宅してから1時間半、夕寝?をして、起きてから、夕食を食べました。
 そうこうしているうちに、急に、思い出したように、以下記載の「波打ち際の‥‥」の曲が頭に鳴ったので、CD棚を探し出して聴いた次第です。
 
 今夜は、フランスの作曲家・ピアニストのシャルル=ヴァランタン・アルカン(1815〜1888年)の前奏曲を聴きました。
 25の前奏曲自体(第1組曲…第1番から9番、第2組曲…第10番から17番、第3組曲…第18番から25番)は、まあ美しい曲集なのですが、
 中でも、曲調ががらりと変わり、ふと手を止め、曲番号を見直した曲があったので紹介します。
 第8曲 変イ短調 曲名は「波打ち際の狂女の歌」(ゆっくりと)。
この暗く沈んだ曲は、本当に陰鬱になります。
 作曲家アルカンは、ブゾーニが、作品の良さを認め「リストに続く、ピアノ音楽史上の偉大な業績」とさえ讃えました。しかし、いつしか忘れ去られてしまったのです。

 6歳でパリ音楽院に入学し、7歳で1等賞を取得。10代で、ロッシーニを驚かせ、ショパン・リストと並び称されるピアノの腕前でした。ショパンとも親交がありました。
 ハンス・フォン・ビューローも、彼の作品12の練習曲をたたえ、ピアノのベルリオーズと言ったほどでした。作曲の才能も一流だったのです。

 忘れさられた原因として、晩年、小さい規模の演奏会は開いてはいましたが、孤独を好むようになり、社交界から去っていったからです。

 特に、この「波打ち際の狂女の歌」を聴くと、美しい前奏曲集に急にこの1曲挿入するあたり、独特の暗さ、よく言えば、内省の深さを持っていた人なのかと思います。

 1839年に世に出たショパンのプレリュードから9年後に作られたこの曲は、友人ショパン、またバッハの平均律クラヴィーアの影響を見て取れます。

 前奏曲全体として聴いても、聴きやすく、穏やかな曲が多いのですが、「波打ち際の狂女の歌」を再度聴いていますと、波が来ては、戻り、押し寄せては、戻りの風景が頭をよぎり、私の心は、やや、暗くなりました。
 
 ロンドンレーベルによるCDで、オリ・ムストネンの演奏で聴いています。1967年、ヘルシンキに生まれたピアニストです。
 彼のこのほかの録音は、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲、及びバッハのヴァイオリン協奏曲 ホ長調の作曲者自身によるピアノ編曲版(ロンドンレーベル)が出ています。
 家の棚を探して見つけ、今、久しぶりに聴いています。珍しい曲を取り上げるピアニストと思いました。柔らかで、聴きやすい音のピアニストです。
 
 今深夜、1時。これから、眠れるでしょうか。
 眠るのは、疲れが取れ、心地よいのですが、過去、私は、頻繁に、怖い夢を見る傾向があって、起きたとき、夢かうつつか、分からず、毎晩非常に怖かったです。
 気を落ち着かせるために、都度、たばこを吸っていたのですが、一時的に、心の落ち着かせる処置だと思い、3年前のクリスマスの日の1本を最後に、やめました。
 以降、怖い夢を極端にみることは、減り、怖い夢をみたなと思った時は、お茶を飲んでいます。
 夜の、しんとした静けさが好きです。暗い部屋に、机の上だけを照らす電球。
 まだ、明日の朝までには、しばらく時間があると思うと、やや、ゆっくりの自分タイムが持てます。何をするということもないですが、
 作曲家の伝記本をぱらぱら、眺めたり、また、写真入りの歴史解説本、今、はまっているのは、昨年の大河ドラマ鎌倉幕府の本です。鎌倉は、2回行ったことがありますが、行ったときは、源頼朝北条義時の肝心の話を知らず、当時訪れた一番の目当ては、北条時宗像を見ることでしたので、階段横にあった像を見たときは感動しました。  
 また、いずれ一回訪問したいな と考えています。夜は、眠るまでに、そうした考えを、いろいろと、引き出しから出して、整理して、またしまったりと、するのが楽しいです。